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ユニバース銘柄の業績動向等

 当経済研究所は約460社をユニバース銘柄として業績の継続フォローを行っている。このうち決算期変更企業等を除く448社のいちよし経済研究所アナリストの企業収益予想をとりまとめた。4月17日現在で、2023年度は2022年度比5.5%増収、2.0%営業増益、0.4%経常増益が見込まれる。2024年度は7.6%増収、19.8%営業増益、17.1%経常増益が予想される(図表1)。
 
 2023年度について、製造業、非製造業別にみると、製造業は2022年度比1.4%増収、同3.5%営業減益、同5.2%経常減益、非製造業は同7.8%増収、同6.0%営業増益、同4.6%経常増益。2024年度については、製造業は2023年度比5.9%増収、同20.8%営業増益、同15.9%経常増益、非製造業は同8.4%増収、同19.2%営業増益、同17.9%経常増益が予想される。
 
 ユニバース銘柄448社の予想PERは2023年度で19.2倍と、TOPIX採用銘柄の平均PER(2023年度推定ベースで約16倍)と比べてやや高い水準となっている。製造業・非製造業別にPERをみると、非製造業が高い数値である。

(図表1)2023年度・2024年度の企業収益の推移

(注1)2023年度は2023年10月期~2024年9月期(他年度も同様)
(注2)決算期変更企業を除くユニバース銘柄448社ベース
(出所)いちよし経済研究所(4月17日現在)

 図表2は各年度における当経済研究所のユニバース銘柄の経常利益合計額の伸び率を用いて指数化(2009年度=100)したものである。当経済研究所では成長企業をフォローし続けていることもあり、経常利益は2019年度を除き増加基調が続いていたが、2023年度は前年度比0.4%増と僅かながら増益を確保する模様。なお、2024年度は17.1%増が見込まれる。

(図表2)いちよし経済研究所ユニバース銘柄の経常利益合計指数の推移

(注)2023年度は2023年10月期~2024年9月期(他の年度も同様)。研究所予想は4月17日時点
(出所)いちよし経済研究所

 図表3は時系列に当研究所アナリスト業績予想データが取得可能な316社について、2023年度と2024年度の予想経常利益の伸び率を月別にみたものである。4月の伸び率は3月に比べて、23年度はほぼ横ばい(前年度比1.5%減→1.3%減)、2024年度は若干の上方修正(前年度比17.9%増→18.4%増)となった。

(図表3)2023・2024年度の経常利益伸び率の月別推移

(注1) 2023年度は2023年10月期~2024年9月期(他年度も同様)。研究所予想は4月17日時点
(注2) 2022年1月から継続してアナリスト業績予想データ取得可能な316社ベース。図表1、図表2とは集計社数が異なる
(出所)いちよし経済研究所

 図表4は当経済研究所のユニバース銘柄で作成した株価指数(以下ユニバース指数)とTOPIXの動きを比較したものである(直近値は4月17日現在、いずれも2012年末=100で指数化している)。

 TOPIXは20年3月16日を底にして反発局面となり、21年9月14日に246.43の高値をつけた後はもみ合いの展開ののち上昇局面に転じ、24年4月17日の終値は309.74(20年3月16日ボトム比115%上昇、21年高値比26%上昇)となった。ユニバース指数も20年3月16日以降は急速に戻す展開となり、21年9月14日には437.18の高値をつけた。その後は調整する場面があったものの、TOPIX同様に上昇局面となっている。ただし、ユニバース指数は、大型株主導の上昇に対して中小型株出遅れの影響を受けており、24年4月17日の終値は424.50(20年3月16日ボトム比89%上昇、21年高値比3%下落)となったが、TOPIXに比べると株価上昇率は小幅にとどまっている。なお1カ月前(3月13日)との比較では、TOPIX の0.6%上昇に対し、ユニバース指数は2.5%の下落と苦戦している。

(図表4)ユニバース指数とTOPIXの動き

(注1) ユニバース指数はアナリスト・マンスリー掲載時点のユニバース銘柄の等金額指数を毎月延長
(注2) 銘柄入れ替えのタイミングはアナリスト・マンスリー発行日
(出所)いちよし経済研究所

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