ユニバース銘柄の業績動向

当経済研究所は約440社をユニバース銘柄として業績の継続フォローを行っている。このうち決算期変更企業等を除く435社のいちよし経済研究所アナリストの企業収益予想をとりまとめた。5月21日現在で、2024年度は2023年度比9.0%増収、17.3%営業増益、13.3%経常増益が見込まれている。2025年度は6.5%増収、14.1%営業増益、12.8%経常増益が予想される(図表1)。

2024年度について、製造業、非製造業別にみると、製造業は2023年度比9.5%増収、同23.0%営業増益、同15.9%経常増益、非製造業は同8.8%増収、同13.6%営業増益、同11.5%経常増益の見込み。2025年度については、製造業は2024年度比4.6%増収、同11.1%営業増益、同10.0%経常増益、非製造業は同7.4%増収、同16.2%営業増益、同14.9%経常増益が予想される。

ユニバース銘柄435社の予想PERは2025年度で14.0倍と、TOPIX採用銘柄の平均PER(2025年度予想ベースで約15倍)と大差ない水準となっている。製造業・非製造業別にPERをみると、非製造業が高い数値である。

(図表1)2024年度・2025年度の企業収益の推移
2024年度予想
会社数売上高営業利益経常利益純利益PER
製造業1629.5%23.0%15.9%18.0%12.5倍
非製造業2738.8%13.6%11.5%14.2%17.9倍
合計4359.0%17.3%13.3%15.8%15.6倍
2025年度予想
会社数売上高営業利益経常利益純利益PER
製造業1624.6%11.1%10.0%8.2%11.5倍
非製造業2737.4%16.2%14.9%13.2%15.9倍
合計4356.5%14.1%12.8%11.0%14.0倍

(注1)2024年度は2024年10月期~2025年9月期、2025年度は2025年10月期~2026年9月期
(注2)決算期変更企業を除くユニバース銘柄435社ベース
(出所)いちよし経済研究所(5月21日現在)

図表2は各年度における当経済研究所のユニバース銘柄の経常利益合計額の伸び率を用いて指数化(2009年度=100)したものである。当経済研究所では成長企業をフォローし続けていることもあり、経常利益は2019年度を除き増加基調が続いているが、2024年度は13.3%増、2025年度12.8%増とTOPIX500(除く金融)を上回る伸びが見込まれる。

(図表2)いちよし経済研究所ユニバース銘柄の経常利益合計指数の推移

(注)2024年度は2024年10月期~2025年9月期、2025年度は2025年10月期~2026年9月期
(出所)いちよし経済研究所(5月21日現在)

図表3は時系列に当研究所アナリスト業績予想データが取得可能な299社の2024年度と2025年度の経常利益の伸び率を月別にみたものである。5月の伸び率は4月に比べて、2024年度は下方修正、2025年度はほぼ横ばい(2024年度は前年度比15.5%増→13.5%増、2025年度は前年度比13.4%増→13.6%増だが水準は低下)となった。

(図表3)2023・2024年度の経常利益伸び率の月別推移

(注1) 2023年度は2023年10月期~2024年9月期、2024年度は2024年10月期~2025年9月期
(注2) 2023年1月から継続してアナリスト業績予想データ取得可能な299社ベース。図表1、図表2とは集計社数が異なる
(出所)いちよし経済研究所(5月21日現在)

図表4は当経済研究所のユニバース銘柄で作成した株価指数(以下ユニバース指数)とTOPIXの動きを比較したものである(直近値は5月21日現在、いずれも2012年末=100で指数化している)。

TOPIXはコロナ禍で大幅な調整となった20年3月16日を底にして反発局面となり、大幅な変動を伴いながらも上昇局面に入り、24年7月11日に20年3月のボトム比137%上昇の340.68の史上最高値をつけた。その後、24年8月5日には円安修正や日銀の追加利上げ不安から高値をつけた後の最安値をつけ、さらに25年4月7日には米トランプ政権の相互関税への先行き不透明感から、再び調整・反発局面となるなど、波乱の展開となった。この結果、25年5月21日には317.85(24年7月11日高値比7%下落、24年8月5日ボトム比23%上昇)となった。一方、ユニバース指数は、大型株主導の上昇に対して中小型株出遅れの影響を受け、最高値となった24年7月17日の終値は455.06(20年3月16日ボトム比102%上昇)とTOPIXより小幅な上昇にとどまった。その後、TOPIX同様に2度の調整局面を経て、25年5月21日は429.18(24年7月17日高値比6%下落、24年8月5日ボトム比22%上昇)となった。なお前月号作成時点(4月16日)との比較では、TOPIX が9.4%の上昇、ユニバース指数が7.4%の上昇となった。

(図表4)ユニバース指数とTOPIXの動き

(注1) ユニバース指数はアナリスト・マンスリー掲載時点のユニバース銘柄の等金額指数を毎月延長
(注2) 銘柄入れ替えのタイミングはアナリスト・マンスリー発行日
(出所)いちよし経済研究所(5月21日現在)

ご留意いただきたい事項

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