カバレッジ銘柄の業績動向
当経済研究所は約450社をカバレッジ銘柄として業績の継続フォローを行っている。このうち決算期変更企業等を除く441社のいちよし経済研究所アナリストの企業収益予想をとりまとめた。6月18日現在で、2025年度は2024年度比5.7%増収、同10.7%営業増益、同9.2%経常増益が見込まれている。2026年度は2025年度比5.9%増収、同12.9%営業増益、同12.9%経常増益が予想される(図表1)。
2025年度について、製造業、非製造業別にみると、製造業は2024年度比3.5%増収、同7.1%営業増益、同5.6%経常増益、非製造業は同6.8%増収、同13.3%営業増益、同11.8%経常増益の見込み。2026年度については、製造業は2025年度比6.0%増収、同14.2%営業増益、同14.3%経常増益、非製造業は同5.9%増収、同12.0%営業増益、同12.0%経常増益が予想される。
カバレッジ銘柄441社の予想PERは2025年度で15.1倍と、TOPIX採用銘柄の平均PER(2025年度予想ベースで約15倍)と大差ない水準となっている。製造業・非製造業別にPERをみると、非製造業が高い数値である。
会社数 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | PER | |
---|---|---|---|---|---|---|
製造業 | 166 | 3.5% | 7.1% | 5.6% | 4.8% | 12.7倍 |
非製造業 | 275 | 6.8% | 13.3% | 11.8% | 10.0% | 16.9倍 |
合計 | 441 | 5.7% | 10.7% | 9.2% | 7.7% | 15.1倍 |
会社数 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | PER | |
---|---|---|---|---|---|---|
製造業 | 166 | 6.0% | 14.2% | 14.3% | 13.1% | 11.2倍 |
非製造業 | 275 | 5.9% | 12.0% | 12.0% | 11.8% | 15.1倍 |
合計 | 441 | 5.9% | 12.9% | 12.9% | 12.3% | 13.5倍 |
(注1)2025年度は2025年10月期~2026年9月期、2026年度は2026年10月期~2027年9月期
(注2)決算期変更企業を除くカバレッジ銘柄435社ベース
(出所)いちよし経済研究所(6月18日現在)
図表2は各年度の当経済研究所のカバレッジ銘柄の経常利益合計額の伸び率を指数化(2009年度=100)したものである。当経済研究所では成長企業をフォローし続けているため、経常利益は2019年度を除き増加基調が続いている。2024年度(実績、一部予想も含む)は14.1%増、2025年度9.2%増、2026年度12.9%増とTOPIX500(除く金融)を上回る伸びが見込まれる。

(注)2025年度は2025年10月期~2026年9月期、2026年度は2026年10月期~2027年9月期
(出所)いちよし経済研究所(6月18日現在)
図表3は時系列に当研究所アナリスト業績予想データが取得可能な329社の2025年度と2026年度の経常利益の伸び率を月別にみたものである。6月の伸び率は5月に比べて、2025年度は下方修正、2026年度はほぼ横ばい(2025年度は前年度比13.4%増→9.4%増、2026年度は前年度比12.8%増→12.9%増だが水準は低下)となった。2025年度が大幅な下方修正となったのは、大手ネット関連企業の業績下方修正の影響が大きい。

(注1) 2025年度は2025年10月期~2026年9月期、2026年度は2026年10月期~2027年9月期
(注2) 2024年1月から継続してアナリスト業績予想データ取得可能な329社ベース。図表1、図表2とは集計社数が異なる
(出所)いちよし経済研究所(6月18日現在)
図表4は当経済研究所のカバレッジ銘柄で作成した株価指数(以下ユニバース指数)とTOPIXの動きを比較したものである(直近値は6月18日現在、いずれも2012年末=100で指数化している)。
TOPIXはコロナ禍で大幅な調整となった20年3月16日を底にして反発局面となり、大幅な変動を伴いながらも上昇局面に入り、24年7月11日に20年3月のボトム比137%上昇の340.68の史上最高値をつけた。その後、24年8月5日には円安修正や日銀の追加利上げ不安から高値をつけた後の最安値をつけ、さらに25年4月7日には米トランプ政権の相互関税への先行き不透明感から、再び調整し、その後の関税発動延期で反発局面となるなど、波乱の展開となった。この結果、25年6月18日には326.62(24年7月11日高値比4%下落、24年8月5日ボトム比26%上昇)となった。一方、カバレッジ指数は、大型株主導の上昇に対して中小型株出遅れの影響を受け、最高値となった24年7月17日の終値は455.06(20年3月16日ボトム比102%上昇)とTOPIXより小幅な上昇にとどまった。その後、TOPIX同様に2度の調整局面を経て、25年6月18日は452.42(24年7月17日高値比1%下落、24年8月5日ボトム比24%上昇)となった。なお前月号作成時点(5月21日)との比較では、TOPIX が2.8%の上昇、カバレッジ指数が5.4%の上昇となった。

(注1) カバレッジ指数はアナリスト・マンスリー掲載時点のカバレッジ銘柄の等金額指数を毎月延長
(注2) 銘柄入れ替えのタイミングはアナリスト・マンスリー発行日
(出所)いちよし経済研究所(6月18日現在)
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