期初計画の上振れ期待が高い中小型株を探る ~保守的な業績計画傾向の常連銘柄
2025.05.23
トピック
国内上場企業約4,000社の6割弱を占める、3月期本決算企業の決算発表が出揃った。25.3期の営業利益は前期比7.4%増と堅調。非製造業が利益をけん引した。一方で、会社側の26.3期営業利益計画は同2.5%減。非製造業は、かろうじて前期比プラスを維持するものの補え切れず、全体としては減益に転じる計画。
決算発表時の株価動向へ目を転じると、ボラティリティが高まりやすく、本決算発表時はとりわけその傾向が出やすい特徴がある。本決算の発表時は、通常、新年度ガイダンスも公表される。新年度ガイダンスは今期業績の方向性を初めて提示するが、投資家の期待と乖離が生じやすい。日本企業は往々にして、立てた計画の下方修正を避ける傾向があり、ガイダンスを控えめに見積もるケースが多々ある。また、企業の中長期の展望を示す中期経営計画の策定や再検討後の公表、東証による資本効率の改善要請への取り組みを掲げるタイミングでもあるためだ。
一方で、保守的すぎる業績計画のために株価が冴えない展開をしているのであれば、投資妙味が増すとも考えられる。毎期のように期初は保守的な業績計画を公表し、期初計画を上振れた実績を出す企業は存在する。当研究所が特化しているカバーアナリストが少なく成長期待の高い中小型株においても、もちろん存在する。足元では、米追加関税強化に伴う大幅な世界景気の減速懸念は緩和されているが、業績計画の策定中は警戒感が高まっていた。企業はより慎重な業績計画を発表したのではないかと考える。
本レポートでは、当研究所のレポート銘柄の中から、売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべてが、5期連続で期初計画を上回った実績の企業をスクリーニングした。なお、期初業績計画を未定とした企業は除外している。
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