健康経営銘柄の売上高・営業利益増減率の推移(SDGsシリーズ11)
2024.12.20
トピック
環境破壊や気候変動に起因する自然災害の頻発に対処する必要性が高まっている。それに加えて、公平で平和な社会を実現することにより、持続可能な世界を構築するという観点から、2015年9月に国際連合で開催された会合で「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」が決定された。このSDGsが株式投資を行う際の判断基準の1つとして機能し始めている。
本稿では、SDGsの目標である「すべての人に健康と福祉を」と「働きがいも経済成長も」に着目し、従業員の健康に配慮した「健康経営」を実践している企業として、経済産業省が上場企業のなかから選定する「健康経営銘柄」に着目した。健康経営銘柄の選定は、2015年に初めて実施されて以降、今年で10年目となる。
10月18日に公表した「健康経営銘柄の投資パフォーマンス(SDGsシリーズ10)」に引き続き、2024年に認定された53の健康経営銘柄に関して、売上高・営業利益の増減率の単純平均を、東証上場全銘柄と比較した。また、上述の健康経営銘柄のうち、5回以上選定された11銘柄や、当研究所が個別の企業レポートで将来3期分の業績予想を公表している7銘柄についても、同様の比較を行った。
「健康経営銘柄」の売上高・営業利益増減率の平均は、東証上場全銘柄と比較して、個別企業の業績動向の影響を受けて、大きく変化することが予想されたが、両者は、同様の動きを示す場合が多かった。このことは、「健康経営銘柄」が比較的安定した成長性を持っていることを示唆すると考えられる。多くの投資家が企業業績の不安定性を嫌うとすれば、「健康経営銘柄」が投資家の注目を集める点の1つとして、上述の安定成長性をあげることができよう。
注:「健康経営」はNPO法人健康経営研究会の登録商標
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