成長産業・企業の展望MARKET OVERVIEW

企業収益とセクター天気予報

2017年度は前年度比9.6%営業増益、2018年度は同12.6%営業増益を予想

当経済研究所は2016年度の決算発表を踏まえて、ユニバース銘柄470社を対象に2017年度・2018年度の企業収益集計を行った。この結果、2017年度は2016年度比7.7%増収、同9.6%営業増益が予想される。2018年度は2017年度予想比6.0%増収、同12.6%営業増益となる見通しである(12月13日現在)。

2017年度予想について、製造業、非製造業別にみると、製造業は2016年度比8.2%増収、同13.2%営業増益、非製造業は同7.5%増収、同7.9%営業増益が見込まれる。2018年度については、製造業は5.5%増収、15.4%営業増益、非製造業は6.3%増収、11.2%営業増益の予想である(図表1)。両年度とも製造業の営業利益の伸びが高い予想となっている。

一方、上記470社について当経済研究所と会社四季報の2017年度の予想伸び率を比較した場合、当経済研究所の予想営業増益率は会社四季報の予想営業増益率を製造業、非製造業ともに上回る見通しであり、とりわけ製造業では会社四季報の数値を大きく上回っている。

(図表1)2017年度・2018年度の企業収益見通し


(注1)2017年度は2017年10月期~2018年9月期(2018年度も同様)
(注2)決算期変更企業を除くユニバース銘柄470社ベース
(出所)会社四季報(東洋経済)、いちよし経済研究所(12月13日現在)

(図表2)セクター別の企業収益動向


(注)2017年度は2017年10月期~2018年9月期(2018年度も同様)。研究所予想は12月13日時点
(出所)会社四季報、いちよし経済研究所

セクター天気予報

ハイテク

セクター名 営業増益率予想 セクター天気予報 コメント 銘柄(コード)
17年度 18年度 3か月後 1年後
半導体・液晶 20.5% 18.8% 晴れ 晴れ フラッシュメモリの短期需給を懸念する見方も存在するが製造装置、部材、材料共に需要は引き続き高水準と予想する。特に材料ではウェハ洗浄用薬液、製造装置洗浄用ガスが逼迫しつつある 関東電化工業(4047)
タツモ(6266)
トーカロ(3433)
発光ダイオード(LED) 19.8% 9.5% くもり くもり 引き続きLED需要、関連投資に目立った動きはなし。化合物半導体の観点からは通信用レーザー需要などが高まっており、従来LED用途だった製造装置の一部で需要が高まる動きがある サムコ(6387)
フルヤ金属(7826)
東洋炭素(5310)
再生可能エネルギー 42.4% 22.0% くもり くもり 国内太陽光パネルの出荷量はマイナス幅縮小傾向ながら反転増は見えにくい。相対的に有望なバイオマス発電の設備投資活発化も輸入材の価格上昇には留意 ウエストホールディングス(1407)
エフオン(9514)

スマホ・タブレット 38.1% 14.5% 晴れ 晴れ iPhoneXの生産開始遅れで部品需要は底堅く推移、インド市場向けなど新興国向け需要も悪くない、マザーボードの高密度化や薄型化、FPCの多層化で関連部材の需要拡大が期待される メック(4971)
タツタ電線(5809)
メイコー(6787)
フォスター電機(6794)
ADAS/自動運転 51.1% 21.8% 晴れ 晴れ ADAS(先進運転支援システム)普及に伴い、車載カメラ、センサー、マイコンなどの搭載率が上昇、コネクタ、プリント配線板、アルミ電解コンデンサ、電源ICなど関連する電子部品の需要が幅広く増加 トレックス・セミコンダクター(6616)
本多通信工業(6826)
原田工業(6904)
日本ケミコン(6997)

素材関連

セクター名 営業増益率予想 セクター天気予報 コメント 銘柄(コード)
17年度 18年度 3か月後 1年後
化粧品原料 18.7% 12.8% 晴れ 晴れ 国内では百貨店での高級化粧品の販売は依然として好調。アジアにおけるスキンケア化粧品、UVケア化粧品の需要拡大も継続 テイカ(4027)
KHネオケム(4189)
第一工業製薬(4461)
次世代自動車関連 10.0% 17.0% くもり 晴れ 足元では原油高に伴う原材料価格の上昇が利益抑制要因になる可能性があるが、発泡プラスチックや防音部材の需要は軽量性や快適性の追求を背景に強い。大型のSUVの海外市場での拡大も追い風 積水化成品工業(4228)
日本特殊塗料(4619)
JSP(7942)

資本財

セクター名 営業増益率予想 セクター天気予報 コメント 銘柄(コード)
17年度 18年度 3か月後 1年後
工作機械・プレス機械 32.0% 18.0% 晴れ 晴れ 16年12月以降、17年11月まで工作機械受注は前年同月比プラスが持続。17年度下期にかけては大型機にも受注回復が波及すると予想 ツガミ(6101)
東芝機械(6104)
アイダエンジニアリング(6118)
ソディック(6143)
FA・ロボット 63.9% 0.5% 晴れ 晴れ 小型ロボット、電子部品組立機は米系スマホメーカーの新モデルの投資で17年7-9月期は業績拡大。中大型ロボットも中国市場等で受注は拡大傾向。小型機は季節性の調整が生じるが、中大型機は拡大が続くと予想 日特エンジニアリング(6145)
富士機械製造(6134)
ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)
ユーシン精機(6482)
建設機械 -3.2% 11.3% くもり 晴れ 17年7-9月期の建設用クレーンの世界需要は依然前年同期割れだが、油圧ショベルの世界需要は16年10-12月期以降、前年同期比でプラスに転じ拡大傾向。建設用クレーンの世界需要は17年10-12月期も前年同期割れとみるが、油圧ショベルの世界需要は拡大が続くとみる 加藤製作所(6390)
タダノ(6395)
竹内製作所(6432)

社会インフラ

セクター名 営業増益率予想 セクター天気予報 コメント 銘柄(コード)
17年度 18年度 3か月後 1年後
スマートグリッド 0.7% 15.5% くもり くもり 国内電力会社の設備投資は抑制傾向と見られる。スマートメーターは昨年度から高い水準にあるが、17年度は対前年比で減少傾向が続く見通し。太陽光関連も底打ち感はまだない。中長期的には電力システム改革推進を背景とした送配電網再整備に向けた更新需要などに期待 大崎電気工業(6644)


リサイクル 117.5% 9.9% 晴れ 晴れ 産油国の足並みが揃い、減産が維持されるなか需要は強含む。原油市況が値上がり基調で、原油に連動する再生重油価格に上昇ポテンシャルが生じている。国内の経済活動も想定以上に活況で、リサイクル需要が拡大するなど、売上げ、採算性ともに良好とみる ダイセキ環境ソリューション(1712)
タケエイ(2151)
ダイセキ(9793)
道路整備 -4.3% 4.3% くもり 晴れ 原油市況の上昇がアスファルトの原料高に響くが、新設道路工事の増加による堅調な需要が吸収する見通し。舗装会社の営業停止が終了、当面、業績回復が期待されるが、依然として公正取引委員会による調査は継続中という点に留意は必要である NIPPO(1881)
アジアパイルHD(5288)
ニチレキ(5011)
OSJBホールディングス(5912)

外食・レジャー

セクター名 営業増益率予想 セクター天気予報 コメント 銘柄(コード)
17年度 18年度 3か月後 1年後
外食(ファーストフード) 26.5% 6.0% 晴れ くもり 既存店客単価の上昇が続いている。また、既存店客数も増加傾向にある。コメの市況上昇が懸念材料であるが、来年度も人件費増等を吸収して増益を確保する見通し 日本マクドナルドHD(2702)
トリドールHD(3397)
ゼンショーHD(7550)
外食(レストラン) 15.0% 11.3% 晴れ 晴れ 既存店客単価の上昇が続いている。一方で客数は減少している会社が多い。サイドメニューの価格を見直す会社が増えてきた。海外事業は順調に推移している くらコーポレーション(2695)
ブロンコビリー(3091)
サイゼリヤ(7581)
レジャー・遊技施設 32.6% 10.8% 晴れ 晴れ 若いファミリー客が可処分所得上昇によりレジャー消費が回復してきた。インバウンドの「爆買い」は一巡しているものの、「モノ」から「コト」への消費をうまくとらえている 極楽湯HD(2340)
ラウンドワン(4680)
富士急行(9010)
パチンコ・パチスロ -39.8% 17.6% 雨 雨 18年度は旧基準機を何機種有しているかが勝負の分かれ目となりそうだ。全体感では、18年2月に施行予定の規則改正では出玉抑制等が盛り込まれており、遊技機業界の冬の時代は当面続くとみる フィールズ(2767)
セガサミーホールディングス(6460)
平和(6412)

サービス

セクター名 営業増益率予想 セクター天気予報 コメント 銘柄(コード)
17年度 18年度 3か月後 1年後
人材サービス 18.6% 14.4% 晴れ 晴れ 企業の人材採用意欲は強く、引続き良好な事業環境が予想される。政府が推進する「働き方改革」も人材サービス業界にとって追い風となろう。ただ、今後は分野別や企業間で業績の伸び率に格差が表れてくると考える トラスト・テック(2154)
アウトソーシング(2427)
テンプホールディングス(2181)
WDBホールディングス(2475)
不動産流動化 1.1% 6.1% くもり くもり 2018年のオフィス大量供給問題に端を発した不動産市況の下落懸念は一時期よりも後退しているが、不動産価格が高値圏にあるなかで、流動化案件の取得面の厳しさは続いている。手持ち物件の売却を抑制しながら、収益水準を維持させることに各社は腐心している いちご(2337)
サンフロンティア不動産(8934)
オープンハウス(3288)

小売・流通

セクター名 営業増益率予想 セクター天気予報 コメント 銘柄(コード)
17年度 18年度 3か月後 1年後
ホームセンター(HC) 8.2% 9.7% 晴れ くもり 短期的には、厳冬を背景とした季節商品の販売好調や灯油の売上増加が見込まれる。中期的には、DIY商品・資材・園芸関連の強化や戦略的な大同団結によるスケールメリット実現に取り組む企業の好業績が明確となろう ケーヨー(8168)
LIXILビバ(3564)
ハンズマン(7636)
ジョイフル本田(3191)
食品スーパー(SM) 5.8% 7.0% 晴れ 晴れ 概して、目先的には厳冬を背景とした季節商品の売上好調が見込まれる。中期的には、”大型店(売場面積2000㎡級)・惣菜強化・低価格PB商品”の競争力3点セットを満たすSM企業の優位性と成長力がより鮮明となろう ヤオコー(8279)
ベルク(9974)
アクシアルリテイリング(8255)
アルビス(7475)
ドラッグストア 14.3% 12.2% 晴れ 晴れ 化粧品市場の活性化や訪日外国人の増加を背景として、既存店売上の好調継続が見込まれる。短期的には、厳冬による季節商品の販売好調や感冒・インフルエンザの流行により、医薬品・調剤売上が影響を受ける可能性もあろう ウエルシアホールディングス(3141)
ツルハホールディングス(3391)
マツモトキヨシホールディングス(3088)
クスリのアオキHD(3549)
アパレル -4.1% 12.1% 晴れ 晴れ 厳冬で、ダウンジャケットなどの冬物衣料の好調が続こう。向こう1年については、消費税増税で消費マインドの低下が懸念されるものの、グローバルなスポーツイベントの始まりにより、スポーツアパレルは好調が続こう ユナイテッドアローズ(7606)
ゴールドウイン(8111)
デサント(8114)
美容・化粧品 18.6% 8.2% 晴れ 晴れ 海外市場での販促強化が、インバウンド需要の拡大をけん引しており、好循環が続こう。向こう1年も規模が大きい中国をはじめとするアジア市場の成長による業績好調が続こう ミルボン(4919)
シーズHD(4924)
マンダム(4917)
ヤーマン(6630)
ファッション雑貨 11.6% 10.5% くもり くもり 100円ショップは順調だが、その他は節約志向に対する差別化戦略が奏功せず、客数の減少が続く見込み。向こう1年は消費税増税に加え、原油価格の上昇などコスト上昇圧力が高まる可能性もあり、消費マインド低下の影響が見込まれる セリア(2782)
サックスバーHD(9990)
ジンズ(3046)
4℃ホールディングス(8008)

バイオ・ヘルスケア

セクター名 営業増益率予想 セクター天気予報 コメント 銘柄(コード)
17年度 18年度 3か月後 1年後
創薬ベンチャー 赤字 黒転 晴れ 晴れ 特殊ペプチド創薬技術、血液脳関門通過技術、腫瘍溶解性ウイルス技術など、日本の次世代創薬技術に関する有用性の証明が進展している。既にこれらによる製薬会社との契約は実現しているが、今後一段と加速すると見込まれる ペプチドリーム(4587)
JCRファーマ(4552)
タカラバイオ(4974)
医薬品開発支援(CRO) 8.8% 20.0% 晴れ 晴れ 大型医薬品の相次ぐ特許切れにより製薬企業各社は次の収益柱となる医薬品開発を積極的に進めている。足元におけるCRO大手の受注残高が豊富なことなどから、18年度も増益基調が続く見通し シミックホールディングス(2309)
EPSホールディングス(4282)

後発医薬品 31.4% -6.8% くもり 雨 後発薬使用促進策により数量拡大が継続するが、普及率が既に約70%まで高まっている現状から、市場拡大ペースは今後鈍化する見通し。後発薬比率が高い企業は18年4月の薬価改定の影響により減益に転じると予想する 東和薬品(4553)
富士製薬工業(4554)

医療機器 12.8% 15.3% くもり 晴れ 外需が牽引した成長が続く。特に、低侵襲治療器は独自製品の拡販によるシェア上昇で成長が加速へ。国内は、18年4月の診療報酬改定が影響するが、強みを持つ製品の拡大による販売量増加で吸収へ 朝日インテック(7747)
ナカニシ(7716)
マニー(7730)
大研医器(7775)
介護 52.9% 25.8% 晴れ くもり 施設系介護、在宅系介護とも利用者の増加が継続しており、中小事業所の淘汰もその流れを加速させている。18年度は、一部企業のコストダウン努力の一巡や18年4月の介護報酬改定の影響から増益率が鈍化へ ツクイ(2398)
ニチイ学館(9792)

IT・インターネット

セクター名 営業増益率予想 セクター天気予報 コメント 銘柄(コード)
17年度 18年度 3か月後 1年後
インターネット広告 3.0% 26.9% 晴れ 晴れ 大手広告主によるインターネット広告への参入が進展し、動画広告は順調に拡大。ただし、Facebookなど特定メディアに出稿は集中する傾向がある。中堅・中小企業によるeコマース向け広告の出稿は堅調 オプトホールディング(2389)
セプテーニ・ホールディングス(4293)
サイバーエージェント(4751)
ファンコミュニケーションズ(2461)
電子商取引(eコマース) -4.0% 19.3% くもり くもり B2Cでは大手サイト競争は激しさを増す。B2B分野も物流コスト増加の影響は強まっている。一方、地方中小中堅企業によるeコマース参入は堅調に増加しており、市場のすそ野は拡大しつつある カカクコム(2371)
MonotaRO(3064)
アスクル(2678)
クックパッド(2193)
ソーシャルゲーム -11.6% 1.3% くもり くもり 隙間時間消費型ユーザーの存在により、大型タイトルの売上水準は底堅く推移。一方、著名IP(コンテンツ・キャラクター)ものの新規タイトルへの人気は根強く、ゲーム会社も積極的に手掛けつつある DeNA(2432)
グリー(3632)
コロプラ(3668)
ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)
モバイルコンテンツ 1.8% 34.6% くもり くもり 携帯電話ショップでは非キャリア系コンテンツの販売シェアの苦戦が続いている一方、携帯電話キャリアによる積極攻勢が目立つ展開に。電子書籍・コミック・雑誌市場は高成長が続いている エムティーアイ(9438)
ディー・エル・イー(3686)
メディアドゥ(3678)
情報ソフト 13.9% 13.6% 晴れ 晴れ IoT、人工知能、フィンテックへの取り組みが見られ、事業環境は良好。一方、システム障害の発生懸念は残るため、第3者によるデバッグ・品質検証ビジネスも拡大するとみる。サイバー攻撃対策への需要は今後も継続しよう GMOペイメントゲートウェイ(3769)
シーイーシー(9692)
イー・ガーディアン(6050)
ラック(3857)
ネットワーク 0.3% 11.0% くもり くもり 次世代高速通信(5G)の導入に向けた議論が進展しつつある点は将来業績に対してポジティブ。ただ、当面は携帯電話端末の販売台数の減少、MVNO(仮想移動体通信)事業者は事業者間の競争の激化が続こう ティーガイア(3738)
ワイヤレスゲート(9419)
インターネットイニシアティブ(3774)
アンリツ(6754)

ご留意いただきたい事項

  • この資料は情報提供を目的として作成されたものです。投資勧誘を目的としたものではありません。そのため証券取引所や証券金融会社が発表する信用取引に関する規制措置等については記載しておりません。
  • この資料は信頼しうるデータ等に基づいて作成されたものですが、その正確性・完全性を保証するものではありません。また、将来の株価等を示唆・保証するものでもありません。
  • 記載された内容・見解等はすべて作成時点でのものであり、予告なく変更されることがあります。
  • 有価証券の価格は売買の需給関係のみならず、政治・経済環境や為替水準の変化、発行者の信用状況の変化、大規模災害の発生による市場の混乱等により、変動します。そのため有価証券投資によって損失を被ることがあります。商品や銘柄の選択および投資の時期等の決定は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
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