中小型株企業の中期経営計画に注目が集まる ~企業との対話の「たたき台」としての重要度アップ
2024.04.19
中小型株テーマ
今まで以上に中小型株企業の「中期経営計画」に注目が集まっていると感じる。昨今、「PBR1倍割れ問題」などを契機に上場企業の株価意識は高まっているが、ROEなどの資本効率に加えて、具体的な成長戦略や株主還元の在り方も問われている。
ROEがそれなりに高くても、PBR1倍割れから脱することができない企業(特に中小型株企業)もある。そのような企業では、具体的な成長戦略が描けていないケースが多い。相対的に流動性が低く、銘柄数も多く、アナリストのカバレッジが十分ではない中小型株企業においては、具体的な成長イメージを持てなければ、投資対象とはなりにくいであろう。
中期経営計画は、経営と投資家とが対話を行う際の「たたき台」と位置付けることも可能だろう。あくまで「たたき台」と捉えるなら「コミットメント(達成への約束)」である必要はなく、成長へのロジックやプロセスを投資家と共有することが大事である。このために極端に保守的な計画や達成不可能にも見える努力目標では、「お話にならない」。このあたりが、中期経営計画の巧拙を決めるポイントになるのではないか。
本レポートでは当研究所アナリストが注目する中期経営計画について、すでに発表済みのもの、今後発表が予定されているもの両方についてコメントする。取り上げる企業は、リンテック(7966)、トリケミカル研究所(4369)、新晃工業(6458)、シンプレクス・ホールディングス(4373)、プレステージ・インターナショナル(4290)、NexTone(7094)、ワンキャリア(4377)、ナカニシ(7716)、東和薬品(4553)、日本コンセプト(9386)など27社である。
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