「値上げ」で着目される内需型サービス業の中小型株企業 　～「値上げ」を実現できるかが、中長期的な競争力の証となろう

トランプ関税により、海外需要のウエイトが高い企業を中心に業績の先行きに対する不透明感が高まっている一方で、内需型企業にとってはトランプ関税による影響は限定的であり、相対的に底堅い業績が期待できる。但しサービス業を中心に人手不足や賃金上昇が利益成長の足かせになる可能性があり、コストアップ分を受注単価やサービス単価に反映できるかが、大きなポイントになる。

「値上げ」は、短期的な業績に影響を与えるだけではない。労働集約型のサービス業である建設、物流、外食、情報サービス、医療サービスなどの分野では、少子高齢化による労働人口減少や人員確保のための賃金上昇が、中長期的な課題となる。このため「値上げ」ができるかどうかは、その業種や企業にとって競争力の証と考えることができる。その競争力が今後も顕在化していくのであれば、株価にも好影響があると見て良いだろう。

本レポートでは、建設、物流、外食、情報サービス、医療関連サービスなど、労働集約型サービス業を中心に取り上げる。着目銘柄としては、安藤ハザマ（1719）、新晃工業（6458）、日本電技（1723）、鴻池運輸（9025）、ゼンショーホールディングス（7550）、ＴＤＣソフト（4687）、プレステージ・インターナショナル（4290）、ステムセル研究所（7096）、エス・エム・エス（2175）、TWOSTONE & Sons（7352）など26銘柄をとりあげる。