持ち合い解消の株価への影響と多く保有されている中小型株企業 ~解消への期待の高まり
2024.07.19
トピック
・持ち合い株の解消が加速
・ガバナンス面での変革や資本効率改善などに注目がシフト
・政策保有株として保有されている割合が高い中小型株企業をリストアップ
持ち合い株の解消が加速している。従来から株式持ち合いについては、安定株主の存在が企業経営に対する規律の緩みを生じさせているのではないかといった懸念が生じやすいことや、資本効率が劣るなどという問題が指摘されてきた。ここにきて持ち合い解消が加速している背景には、東証や金融庁などの要請、投資家からの圧力の高まり、株価の上昇などがある。
株式持ち合い解消は、株価にどのような影響を与えるのか。自社が政策保有株式を売却するときは、持ち合い先からも自社の株式が売られることが多い。そのため、持ち合い解消は需給面から株価を下押しする要因になる。その一方で、持ち合い解消が業績やファンダメンタルズに悪影響を及ぼすことはほとんどない。最近はむしろ、ガバナンス面での変革や資本効率改善といった面が重視される傾向にあり、ポジティブにとらえられることも多いようだ。
当研究所のユニバースでは、リケンテクノス(4220)、四国化成ホールディングス(4099)などが持ち合い先からまとまった株式が売られたが、株価は堅調である。株式が放出される一方で、自社が保有する政策株式の縮減を進め、資本効率の改善に努めている。業績は堅調に推移しており、政策保有株式の売却で得たキャッシュを活用し株主還元を大幅に拡充しているという共通点もある。当研究所ユニバースの中から、発行済み株式数の20%以上政策保有株として保有されていて、かつネットキャッシュがプラスの企業をリストアップした。
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